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日本産科婦人科学会が計画中の臨床研究について

2017.03.13

一部報道によれば日本産科婦人科学会は着床前スクリーニングの臨床研究を始めるようです。日本産科婦人科学会の倫理委員長は「米国や欧州で同様のこと(着床前スクリーニング)が行われている。流産が減ったり、妊娠率が上がるという報告がどんどん出てきだした」と話したとされていますが、これを確認するための臨床研究自体は悪いことでは無いと思います。ただ、臨床研究を実施しているからといって「流産が減ったり、妊娠率が上がる」治療法を禁止することは患者様の基本的人権を侵害することになり問題です。

なお、日本産科婦人科学会が計画中の臨床研究は旧式のアレイCGH法で実施され、費用も自己負担との事です。日本産科婦人科の着床前診断についての会告には胡散臭い点が多く、この団体に公正な臨床研究ができるのかどうかは疑問です。

日本産科婦人科学会の倫理委員会には捏造論文を書いた張本人である名古屋市立教授の杉浦真弓氏が参加しています。捏造論文を書いた人物が加わっている倫理委員会に倫理的正当性を求めることが出来るのでしょうか。名古屋市立大学は、この臨床研究の臨床と分析の両方に加わっていますが、かかる状況はこの研究の信頼性を大きく損なっていると言えるでしょう。

慶応大学の倫理委員会がこの臨床研究を却下したとの事で、その理由は不明ですが、こういった日本産科婦人科学会の不審を抱かせる体質を問題にした可能性も考えられます。日本産科婦人科学会の倫理委員長は「慶⼤の件は話せない」と言ったと報道されています。体外受精に際して、胚移植あたりの着床率を上げて、流産率を下げるための診断を受けるという患者様の基本的人権を、患者様に対する法的拘束力の全く無い会告で実質的に制限しているのに、議論の過程を公開せず、秘密にしているのはおかしな事です。

また、着床前診断を高い信頼性で実施するには豊富な経験が必要で、「会告」のせいで経験が少ないと思われる日本産科婦人科学会とその関連団体に正確な診断が出来るのかどうかも心配です。実際の所、他院で着床前診断を受けられた患者様が結果に疑問を持たれ、診断を受けた受精卵を移送され、大谷レディスクリニックで再検査を受けられたところ、異常と診断されていた受精卵が実は正常であったという事例が最近ございました。