着床率を上げて流産を減らすためには着床率を上げて流産を減らすためには

なぜ流産になるのでしょう

精子と卵子が出会って子宮に着床すると妊娠となるわけですが、残念ながら子宮に着床したすべての受精卵が順調に育ってくれるわけではありません。なかには、途中で受精卵の発育が止まって「流産」と診断されることもあります。
日本産科婦人科学会は、流産を「妊娠22週未満の妊娠の中断」と定義しています。全妊娠の10〜15%に生じるとされていますから、妊娠した女性100人のうち10人から15人は流産を経験していることになります。数字から見れば流産は珍しいことではなく、誰にでも起こりえることです。
ではその流産の原因にはどのようなものがあるのでしょうか。流産の原因は、胎児側と母体側に大きく分けることができます。
胎児側の主な原因は、染色体異常です。おなかの中で大きく育つことのできない宿命を背負った受精卵が、たまたま子宮に着床して妊娠したものの、途中で力尽きてしまったものです。
流産になってしまった胎児の染色体を分析すると、染色体異常は全体の71%という割合です。さらに母体の年齢が40歳を超えると、染色体異常の割合は80%にまで増加します。高齢女性の流産の原因の多くは受精卵の染色体異常に起因していることが分かります。

流産胎児の染色体検査

スライド1

母体側の主な原因は、免疫や凝固因子の異常、あるいは子宮の異常です。免疫異常としては「抗リン脂質抗体症候群」、凝固因子の異常には「凝固XII因子」「プロテインC」や「プロテインS」の欠乏症、子宮の異常には「子宮形態異常」や「子宮内腔の癒着」などがあります。
流産は原因が明らかになることもありますが、実は原因不明の流産も少なくはありません。ほとんどの流産は妊婦さんの生活が原因となっているわけではありませんので、妊娠初期に体を動かしすぎたなど、自責の念を持つ必要はないのです。