着床前スクリーニングとは着床前スクリーニングとは

着床前スクリーニングの安全性と妊娠率の向上

着床前スクリーニングは、体外受精で生じた受精卵が胚盤胞に育った段階で、一部の細胞を採取して、染色体や遺伝子の異常の有無を調べる技術です。受精から3日めには受精卵は8分割卵になり、5日めごろには胚盤胞と呼ばれる状態になります。
胚盤胞では赤ちゃんに育つ部分と胎盤になる部分とに分かれていますが、胎盤になる部分から3〜5細胞を採取しても着床率などその後の発育に影響のないことが米国の研究で判明しています。

これまでに世界で何万人もの赤ちゃんが誕生していると推測されますが、着床前スクリーニングが原因で児に異常が生じたとの報告は1例もありません。
また、米国での着床前スクリーニングは体外受精の生児獲得率を上げ、流産率を下げる目的で実施されることが多く、現在ではこの目的の着床前スクリーニングは、新型の24種類全部の染色体を調べる方法で実施されています。
染色体異常を持つ受精卵を子宮に移植してもその殆どが着床しないか、あるいは流産してしまいます。下図のように染色体異常を持つ受精卵の割合はかなり高く、女性の年齢と共に急増します。

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実際、私どもが2016から開始した、次世代シーケンサー(NGS法)とロボットを使った着床前スクリーニングで染色体に異常がないと診断された受精卵の70%以上が着床してくれており、流産率も低く、新型の着床前スクリーニングで体外受精の生児獲得率が上昇することには疑念の余地はありません。

現在、普通に実施されている体外受精では移植する受精卵の選択を外見に頼ってりますが、外見だけでなく中身(染色体)も判断基準に入れた方が着床しやすく、流産しにくい受精卵を選ぶことができるわけです。